大学時代、私はさまざまな時代の文学や音楽や芸術や演劇などの文化を学んだ
その中で特に惹かれたものは
アングラ演劇運動
ロックンロール
反戦フォーク
学生運動
などの1960年代から70年代
初頭の若者の文化だった
自分とあまり変わらない
年齢の若者たちが
政治運動や芸術で
今までの価値観を
ぶち壊そうとする衝動に惹かれた
と同時にその姿が
当時バンドを組んで
世界を変えてやろうと思っていた
自分自身と似ている気がして
勝手に仲間意識を抱いていた
憧れさえ感じていた
卒業論文はあさま山荘事件を取り上げたものを書いた
この事件を通して
そんな若者たちの衝動も
いつしか終わりが来るのだと知った
***
1960年代一斉を風靡したビートルズのジョン・レノンが
1970年に発表した「ジョンの魂」というアルバムの収録曲"God"の中で
僕はビートルズを信じない
夢は終わった
と歌った
今この歌が異様に沁みる
あの頃よくつるんでいた仲間とも
一緒に音楽を作っていた友達とも
どんどん会わなくなる
憧れていたあの人だってどんどん変わっていく
時代が変わったのだと
そして人も変わりゆくものだと
たしかにジョンレノンも感じていただろう
若者の衝動の終わりを
そんな1960年代の終わりのような
今を私は生きている
つまりこの曲の中でジョンが
自分と洋子だけを信じる
と歌っているように
私もロックンロールよりも音楽よりも革命よりも自分自身を信じる事が出来るようになったのだ
***
私の中にも
たしかに1960年代のような日々があった
若くて貧しくて無名で
今を変えようともがいていた時代が
and so dear friends
you'll just have to carry on
The Dream is over
今は会えなくなっていく人のことを憂うよりも
いつかまた会えた時にお互いもっともっと
最強でいられるように
それぞれの人生を生きよう
そう思えばこれから先の人生も未来も悪くない
私たちには誰にも負けない思い出があるのだから
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